戦国時代の武将、毛利元就の「三本の矢の訓戒」の話はよく知られている。
死の床に臥していた元就が、あるとき三人の息子たちを呼び寄せ、
用意しておいた矢を息子らに渡し、「これを折ってみよ」と言った。
三人はそれぞれ簡単に折った。次に三本の矢を束ねて渡し、息子たちに折らせたが、
今度は誰も折ることができなかった。
そこで元就はこうさとした。「この矢はすなわちお前たちなのだ。一本ではすぐ折れる。
お前たちも一人ひとりでは滅ぼされてしまう。しかし三本の束ねた矢が折れなかった
ように、お前たち三人も力を合わせればどんな強敵と戦ってもけっして負けない」
だが、「三本の矢」の話は本当のことではない。
史実の上では、そうした話はありえない。
なぜなら、三人の息子のうちの一人、長男の隆元は元就が死の床にあったとき、
すでに他界しており、この世にはいなかったからである。
ただし死の十数年前に、元就は教訓状を三人の息子に与えており、
そのなかで三兄弟の和が大切であることを説いている。
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