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 中を見なくても、何が入ってるのか桐には予想がついてるようだ。


「えーっと何々……ぶっ!なんや、この書き方やと頭パーゆうてるみたいやな」

「…あ゙?」

【頭は暖かそうだけど、いつも首の寒そうな桐へ。メリークリスマス】


 中には、黒のシンプルなマフラーが。確かに桐はコートは着てもマフラーはしてなかったため、寒そうだなと椿自身も思っていた。理由は特にないだろうが、マフラーをしない桐へマフラーの贈り物。

 紅葉らしくて、ついつい笑ってしまう。


「椿は何だったんだよ」

「タノシイコト大好きな俺にはチェスとオセロやで」

「…クッ、せいぜい楽しんでやれよ」

「せやなー紅葉チャンと2人きりでやるんも、エエかもなー」

「……あ゙?2人きりだと?」


 部屋に呼んで、一晩中。そういう椿の笑顔は爽やかなはずなのにどこか妖しく、何を考えてるかは一目瞭然だ。一瞬にして桐の眉間にシワがグッと寄り、椿を敵対視するように睨みつける。

 紅葉と2人きりなんて、許さない。いわなくてもビシビシと伝わってくるが、椿は楽しそうにニヤニヤ笑い、桐をおちょくりだした。



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