6 中を見なくても、何が入ってるのか桐には予想がついてるようだ。 「えーっと何々……ぶっ!なんや、この書き方やと頭パーゆうてるみたいやな」 「…あ゙?」 【頭は暖かそうだけど、いつも首の寒そうな桐へ。メリークリスマス】 中には、黒のシンプルなマフラーが。確かに桐はコートは着てもマフラーはしてなかったため、寒そうだなと椿自身も思っていた。理由は特にないだろうが、マフラーをしない桐へマフラーの贈り物。 紅葉らしくて、ついつい笑ってしまう。 「椿は何だったんだよ」 「タノシイコト大好きな俺にはチェスとオセロやで」 「…クッ、せいぜい楽しんでやれよ」 「せやなー紅葉チャンと2人きりでやるんも、エエかもなー」 「……あ゙?2人きりだと?」 部屋に呼んで、一晩中。そういう椿の笑顔は爽やかなはずなのにどこか妖しく、何を考えてるかは一目瞭然だ。一瞬にして桐の眉間にシワがグッと寄り、椿を敵対視するように睨みつける。 紅葉と2人きりなんて、許さない。いわなくてもビシビシと伝わってくるが、椿は楽しそうにニヤニヤ笑い、桐をおちょくりだした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |