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あらかじめ1人がいいということをいってあるため、送り迎えはする、というのを条件に了承したのだ。紅葉にだって1人になりたいときぐらいあるだろう。それにその場所は、安心出来るところだから。菖蒲もすんなり頷くことが出来た。
「いこう蓮見。…先帰っててもいいけど…」
「……ま、つ。紅葉、待ってる」
「(コク)」
「じゃあ、草壁先生にもよろしくね」
そう、3人のいる場所は、保健室の前。蓮見を連れて菖蒲が立ち去るのを見届け、紅葉はノックをしてその部屋に入った。といっても外での会話が聞こえていたのだろう。智春は特に驚きもせず、イスに座れと促してきた。
いつ頃から気づいていたのだろう。なんと、ミルクたっぷりのコーヒーまで用意されているではないか。
「!っ…(ありがとっ)」
「まだ苦かったら自分で調節しろよ」
「(コクコクッ)」
「クッ…感情豊かで何よりだ」
目を見開いて笑顔でお礼をいって。かと思えば焦ったように頷き、そして口をつけて熱い!という顔をする。見ていて飽きない、紅葉の可愛らしい部分に智春は自然と優しそうな笑みを浮かべた。
あの子とは、正反対なんだな、と。
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