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 綾はふふっと笑うと「アテレコ」と答えた。
 確かに綾の言葉は歩香の心を代弁していたが、その口調は何故かブリッコだった。ふざけ半分としか思えない。

 歩香の眉が複雑に歪む。


「まぁまぁ。そんなわけなんで、先輩早く帰った方がいいですよ?」


 綾がにっこり笑いながら言うと、雪都もにっこり笑う。ちょっとした女ならこの悩殺スマイルで落とせるだろうに、雪都は歩香に執着して離れない。


「やだ。俺アユカちゃんと一緒にいたい」

「だから、私は一緒にいたくないって言ってんでしょうが」


 苛立ちを顕にして睨み付ける。だが雪都にはそんなものは通用しなかった。


「怒ってるアユカちゃんも可愛いね!」


 ぐしゃ。

 歩香の手の中で焼きそばパンが潰れる。


「とっとと帰れ、このどアホ!!」


 強烈な右ストレート(焼きそばパン付き)が雪都の顔面を直撃した。

 歩香はそのままベランダを後にする。


「だから言ったのに」


 焼きそばまみれになった雪都を見ながら、綾は呟いた。

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あきゅろす。
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