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「僕アレンの事は好きだけどぉ、家族の事も大切なんだ…。
アレンと同じだね…?」

ローソクに集中的に囲まれているアレンがジリッと動こうとしたのを、ロードは見逃さなかった。

「動かないで…僕今キレてるんだ…。
赤毛の子…ラビっていうんだっけ?
そいつの心、僕の中にあるんだけど…めちゃくちゃにしてやる…!!」

…えっ…!

「ラビを解放して!
私が代わりになるから…!」

「奈穂!?
ダメです、代わるなら僕が…」

「どっちもダァ〜メ…。
アレンは、友達を傷つけられる方がキツイもんね?
奈穂は、伯爵に怒られ…」

「ロードたま!」

「分かってるって。
極秘なんでしょぉ?」

カボチャ頭の傘が遮ったが、今の会話でアレン達は何も感づかなかったらしい。
ちょっとだけ、ホッとする。

「あ、悲しいお知らせがきたよぉ…。
ラビの心が、たった今死んだみたい〜」

…え?
振り返れば、いつの間にかそこにはラビの姿が。
でも、いつもと雰囲気が違う。
左目の下には変な模様が浮き出てるし。
しかも、私とアレンを攻撃し始めたし!

「ラビ…ラビ、一体どうしたっていうの!?」

「今のその子に何を言っても通じないよ〜?」

ラビの素手での攻撃。
いつもとは違って本気なのが分かった。
私は途中で逃げたが、アレンは背中から壁にぶつけられてしまう。

「アレンっ!!」

「ラビ…目を覚ましてください…!」

アレンがラビの肩を強く抱きしめる。

「世界よりも仲間を大切に思うリナリーが、泣いてしまいますよっ…!!」

アレンの悲痛な声も虚しく、ラビに肩を押され、またしても壁にぶつけられる。

「オレは、お前等の仲間になった覚えは無い…」

心ない声が、私達を凍らせた…。
…ラビ、本当にあなたではなくなってしまったの?

「そう、今は『偶然』エクソシストの側にいるだけ。
お前等を仲間とも思ってない。
ブックマンは何に関しても中立でなくちゃいけない。
…それがその子の本心なんだよ!」

アレンに対して鎚を使おうとしているのを見て、私も戦闘態勢に入る。

「奈穂!?
ダメです、剣を下ろしてください!
ラビは僕が何が何でも正気に戻します!!」

…分かった、アレンを信じる。
私には何も出来ない…。
でも、私も願ってるから…ラビが元に戻るって。
お願い、アレン…。

ラビを気遣って攻撃しないアレンは、私とは違うね…。
私は、仕方が無くなったらやむを得ず戦う気でいたから。
お兄ちゃんとも戦ったし。

アレンと私は、全然違うね…。



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