4
「…火判!」
ラビがアレンを捕らえ、その後に自らも炎の中に呑まれてしまった。
「アレン、ラビ!!」
炎の蛇が2人を飲み込んでから威力は高まり、建物の崩壊を促進させる。
「アレン!!ラビ!!
何処にいるの?
返事して!!」
炎には触れられずただただ見ていなくてはならないもどかしさ…。
「奈穂!
聞こえる!?」
「…リナリー?」
「この炎…ローソクは燃やすのに、熱くないの!」
「え…?」
確かに、こんなにも炎の蛇がいつもよりも大きいのに、全然熱く感じてない…。
…ラビ、これはあなたの仕業なの?
正気に戻ったの!?
やがて、炎の蛇は動きを止め、炎によって巻き起こった砂埃が蛇の形をしたまま止まった。
「奈穂ー!!」
「リナリー…良かった、解放されたんだね。
…ラビとアレン…何処にも見つからないの…!」
「一緒に探しましょう…」
瓦礫の中を、フラフラなリナリーの手をとって歩く。
チャオジーは後ろからついてきている。
暫く歩いていると、とある砂丘の上の砂が急に動いた。
…アレンとラビだ!
「ぐえぇっ…ゴホッゴホッ…」
「ゴホッ…ガハッ…息吸うのつれー!」
「文句あるんですか、バカラビ!
自分でやったくせに!」
「(バカラ…)
よく覚えてないけど、気付いたら火付けてた…。
ジジィに言ったら殺されるかもしれんけど、今はちょっとだけ気分が良い…」
「………」
私達が2人の元に来たら、リナリーがラビの事を殴った。
ぐーで、思い切り。
「バカ!!」
「リナリーの愛の鉄拳が…。
(怖ーい…)」
足が使えないから、腕の筋肉が発達したのかな…。
皆でリナリーの恐ろしさを覚えた瞬間だった。
「キャハハハハハハハハ!」
突然、黒焦げのロードが立って笑い出した。
ラビの炎で焼かれていたのか。
「アー…レン…」
アレンを呼んだと思ったら、砂と化して消滅した。
「なぁ、結局お前はあの子に何したんさ?」
「何もしてませんよ」
「いて、おま、傷口にひじ鉄って…」
「アレンって、もしや…ロリコン?」
「違いますから!絶対に!」
「てかさ、奈穂は頭に怪我でもしたんさ!?」
「そういえば僕も気になってたんですよ!
血が滲んでるし、大丈夫なんですか!?」
「だ、大丈夫、ダイジョーブ!
ただのかすり傷だし、応急手当もしてあるから!」
その時、リナリーが何かひらめいた。
「…ねぇ、ロード消えちゃったけど…。
塔の上にある扉って…ロードの能力なのよね…?」
リナリーの発言に、しばしの静寂。
「「「あああぁぁぁっ!!」」」
.
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!