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…………私は今、現実逃避中。
室長の声が聞こえてきた途端に、逃げて来てしまって…。
とある階段に座り込んで、目の前をじっと見つめ、静かにしている。
はぁ、私はこんな所で何してるんだろ…。
皆に許してもらいに来たんじゃないの?
逃げてばかりじゃいけないから。
いけないって、気付いたから。
それなのに……。
「あ゙ーーーっ!!」
これは、ちょっとした気合い入れ。
「よっし、皆待ってて!
今、会いに行くから!」
口にした言葉は適しているとは言えないが、覚悟を決めて歩き出した。
先ほど引き返した所まで来てみると、あのコムリンがいる!
って、エレベーターの上で皆は何してるの?
…あ、室長が縛られてる。
最初に私に気付いたのは、リーバー班長だった。
「香奈、どこ行ってたんだ!?
心配したぞ!」
「ご、ごめんなさい」
それでも、壁の影に隠れ続ける。
「お前、皆を助けたくはないのか!
気付いたんだが、多分、コムリンの中にはお前のデータは無い…。
あれを倒せるのはお前だけだろ!」
「無理無理無理!
あんなゴツいのをどうやって!?」
そんなこんなで話していると、今度はアレンが狙われ、捕らえられてしまった。
「手術♪手術♪とにかく手術♪」
「何、あの入口ー!!
イノセンス発動!
…ふにゅら?」
…変な声を出して、倒れてしまったアレン。
室長が吹き矢を使ったらしく、エレベーターが賑やかだ。
「リ、リーバーしゃん…。
リナリーを連れて、逃げてくらしゃい…」
「アレーーーン!」
リーバーさん、アレンのコートを掴んでぶらさがっちゃってるし。
コムリンの標的がまたリナリーに移っちゃったし…。
もう、どうすればいいの!
リナリーが危ないから、あの機械は止めないといけない…。
もう、迷ってる暇は無いよね!?
物影からばっと飛び出してコムリンとリナリーの間に立ち、蒼剣を構える。
「コムリン、来いやぁ!
私が相手してやる!
だからリナリー、早く起きて!
早く…!」
エレベーターの上からは、訝しげな声が聞こえてきていた。
「起きて、リナリー!」
必死にリナリーを起こそうとするが、その時、コムリンの腕(?)がすごい勢いでこちらに向かって来た!
(ヤバッ…!
イノセンス発動!)
―――どかぁーん!
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