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「オイオイ、何で逃げ腰なんだ?」
…条件反射です。
ただ虚しい事に、隠れる所なんて無いだけで。
後ろは水路で、前にはリーバー班長が立ちはだかっていて…。
「神田から報告は来てた。
皆、お前の帰りを待ってたんだ、今更逃げるんじゃない」
…それは本当?
本当に、皆は許してくれたの?
どうなのか聞こうと口を開けたら、突然、バカでかい機械が壁を吹っ飛ばして突進して来た!
「…来たぁ」
って、え〜!?
何これ!!
「あいつはエクソシストを狙ってる…。
アレンも香奈も逃げろ!」
まだ目の覚めないリナリーをアレンに背負わせて、私達5人は逃げ出す。
ドデカい機械は、その図体から想像も出来ないほど物凄いスピードで追ってくる。
「あれは一体何なんですか!?」
私も思っていた事を、アレンが聞いてくれた。
「あれはコムリンつって…。
見ての通り暴走してる!」
「何で!?」
「それはだな――…」
リーバー班長の説明によると、室長が作ったロボがコーヒーを誤飲し、壊れてしまったらしい。
そして、言うことを聞かなくなったあのロボ・コムリンはリナリーをマッチョに改造しようとしている。
「…と、いうわけなんだ」
(((アホくさっ!!)))
「リナリーは大丈夫なんですか?」
「あぁ、麻酔で眠ってるだけだ。
はぁ〜…罰が当たったんかな…」
「罰、ですか?」
理解できないアレンが聞き返した。
「少しでも楽をしたがったからさ。
悪ぃ…お前らは戦場で戦ってるってのに…。
おかえり」
(おかえり…か。
久し振りに言ってもらって、ちょっと昔を思い出すなぁ…)
「ただいま…」
言ったのは、アレンだけ。
私は簡単に口に出せない。
その時、遠くから声が聞こえてきた。
「リナリー!!
まだスリムかーい!!」
!!…今度は室長!?
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