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廻るびぃだま
白いびぃだま

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「バージル! ちょっと、バージル!!」
 なんで焦ってるんだろう?
「どうしたの、フェイ?」
 って、あれ?
「「うわぁっ!?」」
 イテテ…爆発したのかぁ。
「バージル…一体何混ぜたの?」
 材料高かったのに…また資金集めからかぁ。
「バージル、話聞いてる?
 材料に、一体、何と何を、混ぜたの?」
 うーん…なんだったっけかな?
「えっと…ポポムと、取り寄せた青い蜂蜜」
 あれ? なんか…溜息が大きく見える気が‐
「それ、前と同じ組み合わせだから」
 あ…ホントだ。ということは‐
「えぇ〜!? 実験して損したなぁ」
「なんか…大丈夫? 色々と」
 どうしようかなぁ…資金繰り。
「おーい、バージル?」
 そうだ…落ち込む暇は無い!
「ごめんよフェイ、材料探してくる」
 え? どうしてそんな顔?
「材料探すって…青い蜂蜜は‐」
 なぁんだ‐
「違うよぉ、探すのはポポムだってばぁ」
 よかった…フェイは落ち着いたみたいだ。
「じゃ、行ってくるねぇ」
「ちょっと! バージル、片付けは!?」
 あのリアクションじゃあ、フェイはまるで母親だなぁ。
「適当でいいよぉ」

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(参ったなぁ…フェイに片付け任せた報いかなぁ)
 肌色のものの中、腕の主‐バージルはそう思った。
‘おい、腕から魔力を感じるぞ!’
‘ちょ…マジで!?’
 彼は声を聞いた…りのとヴェリタの声だ。今なら二人を救世主と見るだろう。
‘おーい、中の人ー’
 が…次の言葉が彼を地獄へ追い込んだ。
‘これ勝ち割るから、仏になっても恨まないでね’
 りのは無茶苦茶だった。
「おい…なんだこりゃ?」
「知る訳無かろう…見えぬ以上」
 割れた肌色のモノから出たのは‐
「そうか…そうだったな。
 いや、実はさ…出たのが人間なんだよ…うん」
 バージルだった。スーツに近い服を着ていた。
「マズいな…リザレクション使えねぇよ、自分」
 情けねぇ奴だ、全く。
「ヒールはどうだ?」
「スティックじゃねぇし!」
 駄目だこうりゃん。
「アイテムを他人に使えないのか?」
 彼女はそう尋ねた…が、りのは首を横に。
「生憎だが…この地じゃそれは不可能なんだ」
 そう言われ、ヴェリタはうなだれてしまった。
「ま、そりゃ…気持ちは分からなくもないけどさ‐」
「う…ん?」
 バージルは目を覚ました。
「む…起きたようだな」
 りのは起きたバージルにデコピン、その上同じ箇所に連発する。
「うーぃ、うーぃ…大丈夫かー?」
 どちらかというと、『デコピンが痛くて大丈夫じゃない』という感じだ。
「りの、いい加減デコピン止めろ」
 ヴェリタの刀の鞘が痛かったのか、言葉のみで止めた。
「助かったよ、割ってくれて…実は、材料探しに来たらこんなことになって」
 見れば分かる、言わずもがなってヤツ。
「まぁ取り敢えず…アンタ誰?」
 失礼にも程がある。
「俺? 俺はバージルだよ。お二人さんは?」
 ふむ、とりのが呟き、目だけ上下させる。
「バージルか…覚えた、うん。
 ウチはりの、でもって、後ろがヴェリタだ」
 後ろのヴェリタは軽くお辞儀した。
「連れが手荒で申し訳ありません…大丈夫ですか?」
 バージルは平気だよ、と笑って答えた。
「良かった…コヤツは中々手加減出来ぬもので。
 つかぬことをお聞きしますが…青い薔薇を見ませんでしたか?」
 この問いに関しては、見ていない、とあっけらかんに返されてしまった。
「そっかぁ…でもホントにあるのかな?」
「でも、なんで青い薔薇を探してるの?」
 りのはジェナの話を掻い摘んで話す。かなり掻い摘んでいたが、ちゃんと彼に伝わったようだ。
「聞いた事あるよ、『アクアルナ』。
 自生するものしかないんだよ、その品種はこの地の水の成分…土壌のバランス…それから、ブルーフォレストの苔!」
 バージルは自慢気に語る。
「そっか、苔が重要なんだ!」
「そう、この苔がデリケートでねぇ…どの科学者も、運搬方法で手詰まりなんだよ」
 話していた最中、あるものが下に映る…それは‐
「「「!」」」
 大きな、影だった。

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あきゅろす。
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