廻るびぃだま 白いびぃだま +†+〜+†+〜+†+〜+†+〜+†+〜+†+〜+†+ 「バージル! ちょっと、バージル!!」 なんで焦ってるんだろう? 「どうしたの、フェイ?」 って、あれ? 「「うわぁっ!?」」 イテテ…爆発したのかぁ。 「バージル…一体何混ぜたの?」 材料高かったのに…また資金集めからかぁ。 「バージル、話聞いてる? 材料に、一体、何と何を、混ぜたの?」 うーん…なんだったっけかな? 「えっと…ポポムと、取り寄せた青い蜂蜜」 あれ? なんか…溜息が大きく見える気が‐ 「それ、前と同じ組み合わせだから」 あ…ホントだ。ということは‐ 「えぇ〜!? 実験して損したなぁ」 「なんか…大丈夫? 色々と」 どうしようかなぁ…資金繰り。 「おーい、バージル?」 そうだ…落ち込む暇は無い! 「ごめんよフェイ、材料探してくる」 え? どうしてそんな顔? 「材料探すって…青い蜂蜜は‐」 なぁんだ‐ 「違うよぉ、探すのはポポムだってばぁ」 よかった…フェイは落ち着いたみたいだ。 「じゃ、行ってくるねぇ」 「ちょっと! バージル、片付けは!?」 あのリアクションじゃあ、フェイはまるで母親だなぁ。 「適当でいいよぉ」 +†+〜+†+〜+†+〜+†+〜+†+〜+†+〜+†+ (参ったなぁ…フェイに片付け任せた報いかなぁ) 肌色のものの中、腕の主‐バージルはそう思った。 ‘おい、腕から魔力を感じるぞ!’ ‘ちょ…マジで!?’ 彼は声を聞いた…りのとヴェリタの声だ。今なら二人を救世主と見るだろう。 ‘おーい、中の人ー’ が…次の言葉が彼を地獄へ追い込んだ。 ‘これ勝ち割るから、仏になっても恨まないでね’ りのは無茶苦茶だった。 「おい…なんだこりゃ?」 「知る訳無かろう…見えぬ以上」 割れた肌色のモノから出たのは‐ 「そうか…そうだったな。 いや、実はさ…出たのが人間なんだよ…うん」 バージルだった。スーツに近い服を着ていた。 「マズいな…リザレクション使えねぇよ、自分」 情けねぇ奴だ、全く。 「ヒールはどうだ?」 「スティックじゃねぇし!」 駄目だこうりゃん。 「アイテムを他人に使えないのか?」 彼女はそう尋ねた…が、りのは首を横に。 「生憎だが…この地じゃそれは不可能なんだ」 そう言われ、ヴェリタはうなだれてしまった。 「ま、そりゃ…気持ちは分からなくもないけどさ‐」 「う…ん?」 バージルは目を覚ました。 「む…起きたようだな」 りのは起きたバージルにデコピン、その上同じ箇所に連発する。 「うーぃ、うーぃ…大丈夫かー?」 どちらかというと、『デコピンが痛くて大丈夫じゃない』という感じだ。 「りの、いい加減デコピン止めろ」 ヴェリタの刀の鞘が痛かったのか、言葉のみで止めた。 「助かったよ、割ってくれて…実は、材料探しに来たらこんなことになって」 見れば分かる、言わずもがなってヤツ。 「まぁ取り敢えず…アンタ誰?」 失礼にも程がある。 「俺? 俺はバージルだよ。お二人さんは?」 ふむ、とりのが呟き、目だけ上下させる。 「バージルか…覚えた、うん。 ウチはりの、でもって、後ろがヴェリタだ」 後ろのヴェリタは軽くお辞儀した。 「連れが手荒で申し訳ありません…大丈夫ですか?」 バージルは平気だよ、と笑って答えた。 「良かった…コヤツは中々手加減出来ぬもので。 つかぬことをお聞きしますが…青い薔薇を見ませんでしたか?」 この問いに関しては、見ていない、とあっけらかんに返されてしまった。 「そっかぁ…でもホントにあるのかな?」 「でも、なんで青い薔薇を探してるの?」 りのはジェナの話を掻い摘んで話す。かなり掻い摘んでいたが、ちゃんと彼に伝わったようだ。 「聞いた事あるよ、『アクアルナ』。 自生するものしかないんだよ、その品種はこの地の水の成分…土壌のバランス…それから、ブルーフォレストの苔!」 バージルは自慢気に語る。 「そっか、苔が重要なんだ!」 「そう、この苔がデリケートでねぇ…どの科学者も、運搬方法で手詰まりなんだよ」 話していた最中、あるものが下に映る…それは‐ 「「「!」」」 大きな、影だった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |