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京七小説

「もちろん、治していただきたいところも沢山お持ちです。まずはサボり癖とか」

「えっ」

「でも派手ななりでうろうろしていた御蔭か、ほとんどの隊士が顔と名前を覚えています」

「うろうろって」

「後、女性関係がだらしないとか、」

「いや、あれはデマだって」

「そのようですね。でもそういう評判も男性死神には好評かもしれません。女性は敵にまわりますが」

「あの、七緒ちゃん」

「あと、女性隊員にむやみに触りたがるところは問題ですが、セクハラも対象が全隊に広がるなら、良い頃合いに薄まるような……」

あれ、どんどんいい話から遠ざかってる。どうしてかしら。
話の着地点を見失った七緒は、とりあえず咳払いでごまかした。
話のなかほどから、クスクス笑い始めた京楽が先を促す。

「で、結論は」
「京楽春水に総隊長が務まるか否かを問われるなら、務まると確信しております」
「そうか」

京楽は組んでいた腕をほどいた。

「七緒ちゃんがそこまで言ってくれるのなら、やってみるとしますかね」
「はい」
「しかし、あの小さかった七緒ちゃんが言うようになったもんだ」
「差し出たことを申しました」
「昔は僕の膝にも届かないくらい小さかったのに」
「それは小さすぎです」


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