京七小説 3 「もちろん、治していただきたいところも沢山お持ちです。まずはサボり癖とか」 「えっ」 「でも派手ななりでうろうろしていた御蔭か、ほとんどの隊士が顔と名前を覚えています」 「うろうろって」 「後、女性関係がだらしないとか、」 「いや、あれはデマだって」 「そのようですね。でもそういう評判も男性死神には好評かもしれません。女性は敵にまわりますが」 「あの、七緒ちゃん」 「あと、女性隊員にむやみに触りたがるところは問題ですが、セクハラも対象が全隊に広がるなら、良い頃合いに薄まるような……」 あれ、どんどんいい話から遠ざかってる。どうしてかしら。 話の着地点を見失った七緒は、とりあえず咳払いでごまかした。 話のなかほどから、クスクス笑い始めた京楽が先を促す。 「で、結論は」 「京楽春水に総隊長が務まるか否かを問われるなら、務まると確信しております」 「そうか」 京楽は組んでいた腕をほどいた。 「七緒ちゃんがそこまで言ってくれるのなら、やってみるとしますかね」 「はい」 「しかし、あの小さかった七緒ちゃんが言うようになったもんだ」 「差し出たことを申しました」 「昔は僕の膝にも届かないくらい小さかったのに」 「それは小さすぎです」 [*前へ][次へ#] [戻る] |