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小説2 (鬼×神と人のハーフ) 完結
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「ぷ…」
ぷーの耳がぴくぴくと動く。

それが肯定なのか否定なのか主夜にはよくわからなかったが、多分、間違いないだろう。

「ぷー、まさか、紫陽の気を食って出てきているわけではあるまいな…?」

そうだとしたら、紫陽の体には大変な負担だろう。

たとえ珠の中に棲む龍だったとしても、紫陽に害をなすものは絶対に許せない。

ぷーが少し首を横に振った。
何かを食べる仕草をする。

おそらく、術を習得するとともに紫陽の中の気の流れが変わったので、珠の中から出ることができたのだろうが、すべてを紫陽の気に頼っていたのでは紫陽が倒れてしまう。

だから、食事をするということなのだろうと主夜は判断した。

「では、紫陽の気は食っていないのか?」

ぷーが小さな前足で耳の先をつかんで見せる。

「それは、紫陽が気付かないほど本の少しだということか?…、いいか、ぷー、少しでも紫陽の体に負担をかけたら、俺はすぐにお前を殺す。たとえお前が珠の中に棲む龍だったとしても、俺の命とひきかえに、殺す。わかるか?」

ぷーの前足がそっと主夜の手に乗った。
そんなことはしないと言っているのだろう。

優しい気が伝わってくる。
主夜を慈しんでいるような感じさえする。

「それからもう一つ。紫陽と俺の邪魔をするな。ただでとは言わない。三食腹いっぱい食わせてやる」

ぷーは少し考え、もう一度主夜の手に暖かい前足を乗せた。

「よし、交渉成立だな」
主夜がぷーに向かいニッと笑った時、紫陽が戻って来た。

後ろに麻がいる。

「朝食は済んだのか?」
「はい、ご馳走様でした」

ぷーがぴょんと紫陽の頭の上に乗る。

「まあ、あなたがぷーさんでございますね」

紫陽から話を聞いたのだろう。
麻がぷーに向かって指を出した。

「あ…!」

噛まれるぞ!主夜が声をあげるより早く、麻の指はぷーの前足をそっとつかんでいた。

「なんてかわいらしいんでございましょう。そうそう、ぷーさんにぴったりのお洋服がございますよ」

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