小説2 (鬼×神と人のハーフ) 完結
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だとしたら、二人の間には大きな溝があることになる。
どうしたら埋められるだろうか。
黎や星のように、一番愛している相手から愛していると告げられたなら、どんな気持ちがするのだろうか。
「星、いいかげんにしろよ」
黎の怒気を含んだ声が間近で聞こえて、主夜ははっと現実に引き戻された。
居間に黎と星が入ってきたようだ。
主夜の姿はカーテンの影に隠れて見えないのだろう。
「黎さまこそ、いい加減にしてください」
星の声にもいつもの優しさはない。
主夜は二人の言い争う声に、出て行くタイミングを逃してしまった。
「またそれだ。その呼び方はいけないと言っただろ!何でいつもそうやって澄まして、話をはぐらかすんだよ」
「はぐらかしてなどいません。お断りしただけです」
「だから、どうしてっ」
「黎さま、私は男です。まして影の身。どうして月山に行けますか?」
星の語尾がふるえた。
泣いているのだろうか。
「星、月山じゃなくていい。他のどこでもいい。星の好きなところでいいから、一緒に暮らしたい」
黎の声が優しくなった。
やはり、星は泣いているのだろう。
「黎さま、何度も言ったように、私は男です。黎さまは月山の跡取りを生さなければならない身。それは、なりません」
「だから、そんなことは関係ないっていつも言ってるだろ。月山なんか、腹違いの弟にくれてやる。僕は星さえいればいい」
「一緒に暮らせば、私になどすぐに飽きて、後悔なさいます」
「どうして、そういう考えになるかなあ…。星、ちょっとここへおいで」
二人がソファに腰掛ける気配がする。
「いいかい、星。僕は400年君と付き合って、飽きたことなんかないよ」
「それは、たまにしか会わないから…」
「そう思う?この1ヵ月、朝も昼も夜も星と一緒にいるけど、僕はますます星が好きになったよ。どうしても一緒に暮らしたくなった」
「だけど…」
「だけどじゃないよ。今、星と引き離されたら、僕はどうにかなってしまうよ。かわいそうだと思わない?」
居間に黎と星が入ってきたようだ。
主夜の姿は、カーテンの陰に隠れて見えないのだろう。
「黎さまこそ、いいかげんにしてください」
星の声にも、いつもの優しさはない。
主夜は二人の言い争う声に、姿を現すタイミングを逃してしまった。
「またそれだ。その呼び方はいけないと言っただろ!何でいつもそうやってすまし顔で、話をはぐらかすんだよ」
「はぐらかしてなどいません。お断りしただけです」
「だから、どうしてっ」
「黎さま、私は男です。まして影の身。どうして月山に行けますか?」
星の語尾がふるえた。
泣いているのだろうか。
「星、月山じゃなくていい。僕は、星の好きなところで、二人で暮したいんだよ」
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