[携帯モード] [URL送信]

War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:激昂
十万のローゲン軍。それと対峙するトスキール軍、一万五千。最早、どちらが勝つのかは目に見えていた。
「どうするおつもりですか」
「まずはぎりぎりまで敵を引きつける」
騎士隊を先頭に、トスキール軍は風のように疾走する。帝国軍が見えたところで、一気に右折した。
「このままバイデクルトに向かう!なんとしても、敵に追撃させるんだ」
(もしベーオウルフがうまくやったのなら、付いて来るはずだが……)

「前方、トスキール軍主力。我々には気付いていないようです……西に向かっています」
「バイデクルトを狙うつもりか」
カリギュラは笑った。この期に及んで、愚行である。この私が、貴様らに付いて行くとでも思ったのか。さて、こういう時なんて言うんだったか……。
「おい、レヴァリー。奴らに気付かれないように敵の横を並走しろ。包囲網を張る」
分隊を出発させ、あとはゆっくりコスクへ向かうだけである。
「オペレーションビシージャー、発動!」

「なぜだ……!?」
敵の主力は全くこちらへ来る気配がない。むしろ、そのままコスクへと進軍している。
「正規軍との戦よりも、民間人の虐殺を選ぶか!」
フェルドランスは激昴していた。ベーオウルフを信じたのが間違いか? 違う。もしそうだったとしても、こんな事は、軍人のする事じゃない。
「全員よく聞け! 我々は戻って帝国軍と正面から戦う!」
「なりません、将軍殿! ここで我らがやられては……」
「構わん! みんな、バックだ!今なら敵の側面を突ける」
公国軍は再び敵へと矛先を向けた。


[*前へ][次へ#]

4/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!