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War Chronicle of Toskiel(紺碧の空)完
:出港
一方、コスク湾。アルマダとトスキール海軍との睨み合いが続いていた。
「よし、この作戦で行くぞ」
司令室から足早に士官が出てくる。各々の艦に向かい、出港命令を下すのだ。
「よいか、アイグレット。あくまで陽動だからな」
「わかってますって……こんなことで死んだりしませんよ」
その五分後、アイグレット艦隊はたった六隻の戦艦で無敵艦隊に攻撃をかけるべく湾を出た。

「将軍殿! 敵はこちらに向けて攻撃態勢をとっています」
この台詞が、トスキールの陣営で聞こえた。
「馬鹿な……帝国の連中に読まれていたというのか!」
フェルドランスは、目の前が真っ白になった。自分が今までこんなに狼狽した事がないのだ。
(これが……実戦!)
「後方! 敵の別働隊です」
「何ぃ、包囲されただとぉ!」
こうしてはいられない。敵はどんどんと包囲の輪を狭めてくる。対策を講じなくては。
「防御円陣! 全軍密集後、敵軍を突破する!」
まだ輪は完成していない……これが最後の望みだった。


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