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ある夜の秘恋の噺


この後に及んで、人間じゃないとか。血が甘いとか。
この六畳の空間に座る、俺含む四人中三人が人外とか。


世間って、狭いのな。


***

俺なりに、推理してみたけど血を舐めたって事は順当にヴァンパイ「吸血鬼じゃないですよカグヤ姫」…なん…だと…!


「他に血を吸う生き物は、蚊とヒルくらいしか知らない…」

「別に吸血生物だと言った覚えはないんですが」

千晶さんが肩をすくめると、こっそりと辰壬さんが真剣な顔で耳打ちしてきた。


「カグヤ様…あのね、チュパカブラ…!」

「チュパカブラ…!?」

神妙な面持ちで頷く辰壬さん。こんなに真剣なんだ、違う訳がない。疑うのも失礼な話だ。


「チュパカブラ呼ばわりの方がよっぽど失礼だと、何故気が付かないんですか姫…!」

千晶さんが、信じられないという表情で首を振る。


辰壬さんは、いつの間にか部屋の隅で体操座りをしていた。
なんて自由な人なんだ…!さすが異国情緒溢れる人…!


「まぁ、僕らが『人外』って事だけ覚えて置いて下さいねー!チュパカブラは除外ですが」


千晶さんは何とか、話の本筋を戻そうとしてくれた。有難う、脱線しがちな俺達の救世主だ千晶さん。

「…人外だと、何かある?」


俺の質問に、千晶さんは。


「そうだねぇ、姫なんてあっという間に食べられちゃうかもね?」

と実に楽しげに答えてくれた。やっぱりこの人は腹黒ってやつなんだ、性悪っていうんだ。ドSだし眼鏡もかけてるから鬼畜なんだ。


「…眼鏡外すと、受け?」


「…一体なんの話だか分かりかねますよ、姫」


心底疲れた様子で、千晶さんはため息をついた。



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あきゅろす。
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