[携帯モード] [URL送信]

雨の日は
雨の日の出会い

「今日も雨か…」



――雨の日は



俺は久志、高校1年生。


晴れの日は自転車、雨の日はバスで通学している。



バスは一緒に乗るダチもいないし嫌だ……。


でも、雨に濡れると皮膚が弱いらしく荒れてしまう……。


荒れるだけならまだしも、かゆいんだな、これが!


なので仕方なく雨の日はバスで通学している。




そして今日も雨……


「バス通学かよ……。」


憂鬱な俺。


さっきも言った通り友達もいないバスは本当に退屈だ。


「つまんねぇ……。」


バス停で溜め息をつく。


そこに現れた一人の男――


「久志じゃん!」


中学の同級生、尚希だ。

そこまで仲が良かったわけでもないけれど。


「おぅ、尚希、バスで通学してんの?」


一緒にバスに乗れるなら、俺の雨の日も楽しくなるかもしれないと思いそう言った。


「あぁ、俺、お前の高校の近くの私立に通ってるんだけど、この前、高校にチャリ置いてたら盗まれてさー。もう絶対チャリで通学しないって決意したわけよ。」


笑いながら言う尚希。


高校の敷地内で盗まれるってすごいな……。


「久志はバス通学なんだ?」


「いや、雨の日だけ…」


特に理由を説明する必要もないと思い、素っ気なく答えた。


「雨の日だけかー。でも、雨の日はお前と一緒に行けるから楽しくなるかもなっ!」


爽やかな笑顔で尚希が言う。


……こいつこんなに格好良かったっけ?


そんなことを思いながら二人してバスを待っていた……。






これが恋の始まりだとは知らずに――



 

[次へ#]

1/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!