PSYREN夢
盾/弥勒
「―――こんなところにいたのか」
後ろから足跡が聞こえて、顔を上げたら弥勒が横に立っていた。
「お前は一々泣くんだな」
「……あんたの分も泣いてあげてんのっ…」
「俺の分?今流れてるのがそうか?」
「冷やかしならあっち行け」
「…持ってきてやったんだ」
そう言ってティッシュの箱を差し出してきた。
「………ありがと」
ぶっきらぼうに言い、ちーんと鼻をかむ。
「…はぁ…。淋しくなっちゃったな…」
「直に俺も出る」
「…!」
「俺が帰ってきたらその時が、この世界の発展再開だ。」
「……帰ってくる…?…絶対」
「当たり前だろう」
「………」
横に腰を降ろし名前の顔をのぞき込むと、俯いた瞳からまた涙が零れていた。
手を伸ばして髪にふれて、腕の中に引き寄せる。
「いらない心配はするなよ。…でも嬉しいな」
「……私より先に死なないでよ」
「俺の時も泣いてくれるか?」
「嫌だからね!弥勒までいなくなるなんて考えたくない」
「仮にだよ」
「死んだらぶっ殺す」
「なんだよそれ」
真面目に言ったのに笑い出す弥勒にむくれようと思ったけど、なんだか身体の力が抜けてほっとしてしまった。
「あ、じゃあ…」
「?」
「じゃあ私があなたの盾になる」
名前が思いついたようにぽんと言った。
「どうよ?」
彼女はまるでナイスアイデアと言わんばかりに得意げな顔をしてこちらを見た。
「どうよって…」
何故だろう
言葉が頭の中で迷子になって、口から出てこない。
ぽかんとしてしまった。
「そうすれば私より先にってことにはならないでしょ」
「…そうだな。」
ああ、わかった
自分が反抗勢力に殺されるなんて馬鹿げたことよりも
名前が目の前からいなくなることのほうが、俺には考えられないんだ
盾になるのは俺かもしれない
なんて、言ったらこいつはどんな顔をするだろう。
「…ふっ」
「ちょ、笑ったな。本気だぞ私は」
「…わかったよ。その時が来ればよろしく」
end.
――――――――――――
仲間が死ぬたびにこっそりひっそり泣いてる名前さん。
ドルキさんがやられた時にも一人で泣いてた優しい子なんです。
きっとジュナス辺り「ふーん。」で終わったんだろうなw
つか、ドルキさんことごとく報われねぇ。
目線がぐるぐる変わってすいません。
名前さん目線で始まり弥勒目線で終わる理由は単に私に文章力がないからというだけです。
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