PSYREN夢
頬は淡く紅い/弥勒
感情が無い
彼は自分をそう言った。
うまく説明はできないけど
私にはそのすべてが作り物だとは思えない
そういう話をすると彼は煙たそうにしか聞かないから言わないけど
「それなら、私はそんなもの無いほうがよかった」
無くそうとしても心に深く刻まれたそれはとても辛いものだから
弥勒は『昔』に耐えるために棄てた、と言ったけど
本当に棄てることができたのなら、貴方は今ここにいただろうか
「俺だって今更別に欲しいとも思わない。ただ、無くしたから『忘れた』ってだけだ」
「でも覚える物でもないよ?例えばさ……ね、怒らないでね」
恐る恐る彼の頬をつまむ
「痛い?」
「別に」
むすりとして弥勒は言った。
「その『不快感』だって感情だし…」
すっと腕が伸びて仕返しのように頬をぎゅうとつねられた
「いたいいたいごめんさい」
「……ふっ」
照れそうになって目をそらす
そのいじらしい笑顔が嘘だとしても構わない
私をあの世界から連れ出してくれたのは貴方だから
「だからえ、弥勒は弥勒らひく………ちょ、はらしてください」
もう片方の腕も伸びてきて両頬つねってきた。
「楽しいんだけど。これも感情だろ?」
こういう時だけ感情があってよかったと思う
とりあえず今、幸せ。
end.
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短文の上名前変換なくてすいません(^o^)
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