アクマ
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はっきり言えば、飢えていた。
庭のバラで、今はごまかしが効いているが
柔らかい幼子の血と、働き盛りの青年の血が目の前にぶら下がっているのだ。
チョコレートを前にして、砂糖水をなめるようなソレにイライラが募っていた。
けれど、2人から味見する気も起きず…
空腹と意地の間で板挟みになっているのだ。
2人の食事が終わったのを見計らって、速やかに皿を下げ 台所に逃れて
人気の無い冷えた空気の室内に一歩踏み込むと、力尽きたようにへたりこみ気の抜けたため息を吐いたのだった
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