アクマ
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湯気の立つパンのグラタン。
かさ増しにジャガイモの輪切りを底に敷き詰めて
湯気の立つそれを、ベットの上で食事を取る為のテーブルに並べ、カラシの効いた香りの強い葉物の炒め物を傍らに添える
セシル嬢、妹君の相変わらずほこりっぽい部屋で兄妹らの和やかな夕げ
彼女の避難場所予定の主の部屋がまだ片付かない為、まだほこりっぽいが
カーテンだけはきれいだ。
空気も朝昼入れ替える為か、咳き込むことも少なくなり
初対面では大人びて見えたセシル嬢は、今は兄である主相手に6才児らしく、きゃっきゃ笑いこけながら食事を取っていた。
頬も陶器のような青白さから薔薇色になり、血色もよくなった気がする。
それを眺めながら、二人の食事からひいて、壁際
匂いだけは美味しそうなこちらの食べ物に空腹を煽られないよう、なるべく嗅がないように控えておく
もし 仮に、一緒に食べ口に含んでも消ゴムやふやけた厚紙に絨毯、果ては泥を食べているようなそれらは
どうもこの体には異物のようで …受け付けないのだ。
窓の外は宵闇。
室内は蝋燭が灯され、ほの暗い落ち着いた明かりに照らされ ゆったりと時間が過ぎていき。
寝床として陣取ったウォークインクローゼット、衣装部屋に早く引きこもりたかった。
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