長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その6
僕が下を向いて溜息を吐いていると、先程ター君と呼ばれていた人が近付いて来て、無言で僕の手を掴み上げ、拳に布製のガムテープを幾重にも巻き付け始めた。
「ったく…道徳の奴、何こんなガキ相手にムキになってんだか…」
「あ…あの…」
声を掛けようとした僕を完全に無視し、緑髪男は僕の両拳を布テープでグルグル巻きにし、視線を落すと、こう言った。
「お前か道徳か、先に三回ダウンした方が負けだ…周りの人垣は逃げようとした奴を押し戻す為に居る。
別に寄ってたかって、お前をタコろうって訳じゃ無ぇから安心しろ。
凶器の使用以外は何でも有りだ。
じゃあ、精々頑張れ…」
一気にルールを巻くし立て、ター君は行ってしまった。
その直後、背後に気配を感じ、振り返るとそこには拳を振り上げたミッチーの姿が―――――
――――ガッ!!
何が起こったか分からないまま、人垣に吹っ飛ばされる僕…。
人垣に寄り掛り何とか立っていると
「今のが試合開始のゴングだ」
と、ミッチーに告げられた。
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