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〜龍と刀〜
闇の猛襲T
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平和な時間は突如として終わりを迎えた。地震のような揺れが陽や月華、紗姫を襲う。

「な、なんだ……地震か?」

「それにしては大きくて、一瞬だけだったわね……こんな大きな揺れならテレビに速報でも出るんじゃないかしら?」

おもむろにテレビのリモコンを操作。そしてそこに映し出されていた光景に絶句せざるを得なかった。

「おいおい、これ子供向けの特撮じゃねえよな……?」

そう疑ってしまう程、街の状態は酷かったのだ。化け物が跋扈し、暴徒の限りを尽くしていた。

「少年!さっさと銀の宝刀を持って外に出るのだ!」

「そんな事言っても……!っと先輩?」

月華と入れ替わった月詠が叫んだが、陽も戸惑っている。そんな時にポケットに忍ばせていた携帯電話が無機質なメロディを鳴らした。
相手は幸輔。

『その焦りようだと、事態はそこそこ把握してるみたいだね〜?』

「ある程度は。先輩、これは−−」

『時間が無いから手短に説明するから良く聞いてね〜?今、ヤツらは各地に同様の襲撃をしている。もちろん対象はこの街も入ってるみたいだよ〜』

暢気に話しているように聞こえるが、幸輔の周りから電話越しに聞こえてくるのは爆音やら叫びやら。どんな状況になっているのか想像は容易い。

「俺はどうすれば?」

『理解が早くて助かるよ〜。とりあえず、一番近くのから潰して行ってほしい。戦力的にはボクらと、金鳳、そして龍神や八雲ぐらいしかいないんだ』

「先々で結界を張るのは時間の無駄か……分かりました。とにかく敵を減らして黙らせれば良いんですね?」

陽の言葉を聞いていた二人は、目線で察し、先に家を出発する。

『うん。そういう事だから〜。事後処理は協会で何とかするはず〜。お互い、頑張ろ〜』

緊張感の無い間延びした声で会話は終了。
やるべき事は分かった。まずは白銀へ現状報告をし、それから前線に出る。

「この騒ぎを沈静化、させるのだな?」

電話しながら歩いていた陽は、部屋にあった白銀をひっつかむと再び歩き出す。
説明は簡単に。「ヤツらがまた暴れている」それだけだ。

「月華と紗姫がどっちに行ったか分からないから……とりあえず俺は人通りの多い方を回ろう」

「この状態なら、我を堂々と晒しても咎められる事は無いだろうからな。思う存分、やれるぞ」

「さすがに一般人を巻き込む真似はしないさ。ただでさえ、たくさんの人を巻き込んじまったんだからな……これ以上、やらせねえよ」

靴を履き、ゆっくりと歩みを進める陽。
その瞳には確かな闘志が灯り、握る白銀の刀身はいつもより煌めきが増しているように見える。

「感情的になるなよ」

「分かってる。だけど、全力でやらせてもらう……本命は俺が叩く」

「さっきと言っている事が違う気がするが……我にはどうしようもないか」

白銀を一閃。
光の余韻が美しく輝いた。

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あきゅろす。
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