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短編小説
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“しまった”と思った、その次の瞬間。

俺が取った行動は、明らかに間違っていた。

テンパっていただとか、ついやってしまっただとか。

言い訳を挙げていたら、きっと底無しだろうけど、今はそんな事も言える状況ではなくて。

固まっている、俺の好きな人。

今、この人の頭の中は、何を考えているのだろう。


“気持ち悪い”そう、思われただろうか。

“一生口も利きたくない”なんて、思っただろうか。


どうしよう、何か聞くべきなのか。

固まっているこの人以上に、フルスピードで回る俺の頭。

冗談じゃない、嘘なんかじゃない。

それは分かってもらえただろうか?


ぽかんと佇むこの人は、今この状況を、必死に整理してくれているんだろうか。


“逃げたい”と思われたか。

“消えたい”と考えたか。


考えれば、考えるほど、嫌な考えしか浮かばない。

この人の気持ちを聞けば一発。


“今、俺がしたこと、どう思いました?”



自殺行為もいい所。

言えるわけがないだろ。

ただ、この人がどう思ったか聞きたいんだ。

冗談じゃない、嘘なんかじゃない。



「―――マジなんです」



聞こえただろうか。

こんなにも情けなく、震えた俺の小さな声が。


何か言って下さい。

フるならフって下さい。

黙らないで下さい。

期待させないで下さい。



「黙ってたら…、期待するじゃないですか……」



好きなんです。

呆れるほど。

常識なんか、ブッ飛んだくらい。
馬鹿なアンタが。

何もかも真逆な、アンタが。




「…―――期待、させないで下さい…」


答えを下さい、哀れな俺に。




















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あきゅろす。
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