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08

親睦会のパーティーまで残り3日というところで、何とか会長と踊れるまで上達した。
パーティー前日まで会長と練習し、本番の日を迎える。朝はいつも通り学校に通い、お昼過ぎには会場準備の為早く終わった。俺は夜のパーティに向けて1人、中庭でダンスのステップ練習をしていた。


「ふぅー、こんなもんでしょ。」
いつものベンチで一休み。


「あ、悠斗発見!」
うわぁ、モサ野郎に見つかっちゃったよ。
ってか、何でこの場所分かったの?
ここあまり知られてない場所なのに。


「悠斗、昶兎とペアになったんだろ!」


「ええ、そうですね。」
会長は本来、貴方を誘うはずだったんですよ。一体、何を間違えたんでしょうね。


「あのさ、お願いがあるんだけど、良い?」
よくねー!けど会長の思い人だしなぁ…


「はぁ、何ですか?」
遠慮がちだった彼はパァと明るい表情をした。


「ドレス一緒に着替えないか?あと、一緒に会場まで行きたいんだ。ダメかな?」
ドレス………ってお前もかいっ!


ん?と言う事はあの時、モサ野郎は別の人とペアを組んじゃったから、会長は仕方なく俺を誘うしかなかった………
会長の名目も有るからペア無しってのもあれなんだろうし。あーあ、俺、協力するとか言っておきながら、何もしてないじゃん!


「悠斗、俺と一緒に行くのは嫌か?」
ッハ、モサ野郎の事忘れてた。


「イイデスヨ。」
俺の言葉にやったーと喜んでいる。
まぁ、俺も1人で会場向かうよりは、見知った奴と一緒に言った方が心強い。例え相手は勝手に友達呼ばわりするモサ野郎でも。






夕方、モサ野郎と一緒にドレスを着替えてる。
あの後、会長とモサ野郎のペアであろう超美形男子がやって来て、俺とモサ野郎にドレスとウィグを渡し、会場の入り口で待っていると告げて、パーティの準備に戻って行った。


「………悠斗、すっごい似合ってて綺麗。」
そう呟くのはモサ野郎だ。似合ってるなんてちっとも嬉しくない。

あれ、モサ野郎髪型ボサボサのままだ。


「え、と、朔君。ウィグかぶらないと。」


「え、あ、うん。」
なんだか様子が可笑しい。


「?、俺が付けましょ…「いい、大丈夫!」そうですか。」
慌ててバスルームへ駆け込んで行く。

なぜ、ウィグつける為だけに隠れたの?
あ、鏡がないからか。


「ゆ、悠斗どうかな?」
いつにもなく変な奴だな、モサ野郎は。


「似合ってますよ。金髪のウィグにシンプルなドレスが絶妙にマッチしていて。」
うむ。グルメリポーターみたいな感想になってしまったな。ま、モサ野郎はなんか嬉しそうな顔しているしいっか。

しかし、モサ野郎のウィグやけに綺麗だなぁ。
モッサイ髪型でわかんなかったけど、美少年だったんだね。
「あ、あのな悠斗。これ、地毛なんだ。」
ヘェ〜だからか。地毛だからこんなに……











地毛?こいつ今、地毛って言ったの?


「俺、今まで変装してたんだ。」
変装ぉ〜何の為に?!
確かに見た目と中身にかなりギャップを覚えたが。


「そうだったんですか。なんで変装なんかしたんですか?」
別に意味なくない?その容姿だったら、友達発現しなくてもできると思うぞ。


「そ、それは………俺が追われてるから…。」



追 わ れ て い る ?
モサ野郎、お前なんかやらかしちゃったのか!
そのウザさでやらかしちゃったのか?!
……わぁ、いつかやると思ってたけどそうか。


「それは……大変ですね。ってか追われているなら、素顔バラして大丈夫なんですか?」


「え、と、それは………」


何故、迷う?
追われて困ってるんだったら用意されたウィグ、素直に被れば良くね?
ってか、俺にバラした意味って何ー。


「悠斗、聞いて欲しい事があるんだ。」
そう言って俺の手を取るモサ野郎、いや、美少年である。


「俺、悠斗に会う為にここへ来たんだ。」





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あきゅろす。
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