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07






会長からペア宣告を受けて一週間、俺は有村さんの指導の元、中庭で社交ダンスの練習しています。しかも、女性パート。あれから会長に女装はどっちがするんですか的な事を聞いたら、お前だろみたいなお返事が返ってきた為、仕方なく俺が女装をやる羽目に。


「篠原様、大分ステップが良くなってきましたね。この調子で明日も頑張りましょう。」


「はい、有難うございます。」


はぁ、ヒールのある靴で動かないといけないのは辛いなぁ。世の中の女の人ってよくこれで過ごせるよな。


「篠原様、お茶をお持ち致しました。」
おお、なんと気が利く執事さんなのでしょう!


「有難うございます。有村さんは大丈夫なんですか?」


「ご心配には及びしません。」
あれかな?お茶を持って来る前に水分補給をしたのかな。




「練習は終わったのか?」
暫くしてから会長がやって来た。
有村さんは素早く会長のお茶を用意する。


「はい、有村さんのお陰で大分良くなりました。」


「そうか、有村、例のモノは出来たのか?」


「はい、今夜お部屋にお持ち致しますね。」


「ああ、宜しく頼む。」


一体なんのお話をしているのでしょうか?
つか、例のモノってなんですか?


「篠原、今夜俺様の部屋に来い。」
例のモノを見せてくれるのかな?


「わ、わかりました。」






夜、期待と不安を抱きながら会長の部屋に来たんだけれど……




な に こ の じ ょ う た い






「篠原様、凄くお似合いですよ。」


とりあえず説明しますと、中に入る否や有村さんに脱衣所へ連行され、ドレスを着させられました。


「……………似合っているぞ。」
その間はなんなんですか、会長様。

しかもこのドレスムカつく事にピッタリっていう。採寸とかしてないのに不思議。


「え、と、もう脱いでもいいでしょうか?」
ってか、ぶっちゃけ早く脱ぎ捨てたい。


「構いませんよ。今日は確認の為に着て貰いましたので。」


そうだったんだ。そうならそうと言って欲しかったよ。例のモノとか言わずに、親睦会のパーティドレスって普通に言ってくればよかったよ。


「それでは私は失礼致します。」


用はドレスの試着だったみたいだし、俺も帰ろうかなと思ったが、会長に呼び止められた。


「篠原」
俺の腰に手を回し、反対側の手で顎を掴まれ見つめ合う状態になる。


「どうしたんですか?かいちょ………!!」
会長の顔が唇が触れない程度の距離まで近づいてきた。


「……はははっ!貴様、顔真っ赤だぞ。」
俺の反応がそんなに面白かったのか腹を抱えてケラケラ笑っている。

あの、殴っていいですか?いいですよね。

「あの程度で赤くなるとか貴様もまだまだだな。」


なんで俺そこまで言われなきゃなんないわけ?
意味わかんないしっ!

ぷぅと頬を膨らませ、そっぽを向く。


「ははははっ!まぁ、そう拗ねるな。貴様は本当に可愛いな。」


「かっ!?」
可愛いだって?何言ってんだ、俺様野郎!
男に可愛いなんて言われてこれっぼっちも嬉しくねぇ。頭、おかしいんじゃないの。


「篠原」


大体、あの近さじゃ誰だってああなるって!
……会長イケメンだし。


「篠原」


それに、あの時のこと思い出したってゆうのもあるし。可愛いって言われる理由なんてない。


「悠斗」
後ろから優しく抱きしめられ、耳元に囁かれる。


「…っん」
わぁぁぁぁぁ、変な声がぁ俺の口から信じられない程、変な声がぁぁ!


「ふぅん、耳が弱いのか」
そういって耳を弄り出す会長様。終いには耳を噛んでくる。


「……やぁ、かいちょ…」
本当にやめて!背筋がゾゾってするから。


「…………」
あ、解放された。あーまだ、違和感が残ってる。
また、なにかされる前にさっさと帰ろう、そうしよう。


「会長、俺失礼しますね。」


「ああ」


返事を聞き終える前に部屋を出た。




「………何で俺、ドキドキしてんだよ。」
きっと、あれだな変なことされたからおかしくなったんだ。うん、そうだ。



わけのわからない感情に戸惑いを覚えつつ、自室へと戻るのだった。







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あきゅろす。
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