親睦会のパーティーまで残り3日というところで、何とか会長と踊れるまで上達した。 パーティー前日まで会長と練習し、本番の日を迎える。朝はいつも通り学校に通い、お昼過ぎには会場準備の為早く終わった。俺は夜のパーティに向けて1人、中庭でダンスのステップ練習をしていた。 「ふぅー、こんなもんでしょ。」 いつものベンチで一休み。 「あ、悠斗発見!」 うわぁ、モサ野郎に見つかっちゃったよ。 ってか、何でこの場所分かったの? ここあまり知られてない場所なのに。 「悠斗、昶兎とペアになったんだろ!」 「ええ、そうですね。」 会長は本来、貴方を誘うはずだったんですよ。一体、何を間違えたんでしょうね。 「あのさ、お願いがあるんだけど、良い?」 よくねー!けど会長の思い人だしなぁ… 「はぁ、何ですか?」 遠慮がちだった彼はパァと明るい表情をした。 「ドレス一緒に着替えないか?あと、一緒に会場まで行きたいんだ。ダメかな?」 ドレス………ってお前もかいっ! ん?と言う事はあの時、モサ野郎は別の人とペアを組んじゃったから、会長は仕方なく俺を誘うしかなかった……… 会長の名目も有るからペア無しってのもあれなんだろうし。あーあ、俺、協力するとか言っておきながら、何もしてないじゃん! 「悠斗、俺と一緒に行くのは嫌か?」 ッハ、モサ野郎の事忘れてた。 「イイデスヨ。」 俺の言葉にやったーと喜んでいる。 まぁ、俺も1人で会場向かうよりは、見知った奴と一緒に言った方が心強い。例え相手は勝手に友達呼ばわりするモサ野郎でも。 夕方、モサ野郎と一緒にドレスを着替えてる。 あの後、会長とモサ野郎のペアであろう超美形男子がやって来て、俺とモサ野郎にドレスとウィグを渡し、会場の入り口で待っていると告げて、パーティの準備に戻って行った。 「………悠斗、すっごい似合ってて綺麗。」 そう呟くのはモサ野郎だ。似合ってるなんてちっとも嬉しくない。 あれ、モサ野郎髪型ボサボサのままだ。 「え、と、朔君。ウィグかぶらないと。」 「え、あ、うん。」 なんだか様子が可笑しい。 「?、俺が付けましょ…「いい、大丈夫!」そうですか。」 慌ててバスルームへ駆け込んで行く。 なぜ、ウィグつける為だけに隠れたの? あ、鏡がないからか。 「ゆ、悠斗どうかな?」 いつにもなく変な奴だな、モサ野郎は。 「似合ってますよ。金髪のウィグにシンプルなドレスが絶妙にマッチしていて。」 うむ。グルメリポーターみたいな感想になってしまったな。ま、モサ野郎はなんか嬉しそうな顔しているしいっか。 しかし、モサ野郎のウィグやけに綺麗だなぁ。 モッサイ髪型でわかんなかったけど、美少年だったんだね。 「あ、あのな悠斗。これ、地毛なんだ。」 ヘェ〜だからか。地毛だからこんなに…… ん 地毛?こいつ今、地毛って言ったの? 「俺、今まで変装してたんだ。」 変装ぉ〜何の為に?! 確かに見た目と中身にかなりギャップを覚えたが。 「そうだったんですか。なんで変装なんかしたんですか?」 別に意味なくない?その容姿だったら、友達発現しなくてもできると思うぞ。 「そ、それは………俺が追われてるから…。」 追 わ れ て い る ? モサ野郎、お前なんかやらかしちゃったのか! そのウザさでやらかしちゃったのか?! ……わぁ、いつかやると思ってたけどそうか。 「それは……大変ですね。ってか追われているなら、素顔バラして大丈夫なんですか?」 「え、と、それは………」 何故、迷う? 追われて困ってるんだったら用意されたウィグ、素直に被れば良くね? ってか、俺にバラした意味って何ー。 「悠斗、聞いて欲しい事があるんだ。」 そう言って俺の手を取るモサ野郎、いや、美少年である。 「俺、悠斗に会う為にここへ来たんだ。」 ≪backnext≫ |