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 舌打ちをしつつもしっかり準備をして会場へ向かおうとするあたり、会長としての自覚はあるのかもしれない。

 あとでどうせ着替えるから、と適当な服を着てカードキーと携帯を持って部屋を出る。すると、何かが落ちる音がし、ついで引きずる音もして桐はドアの前を確認した。


「……あ゙?んだこれ…」


 クリスマスの可愛らしい袋。それを拾い上げれば中にはまた別の袋が入っていて、桐は思いっきり不審そうな顔をした。親衛隊はありえない。だが知ってる人がやったとしても、意味が分からないし気持ち悪い、そう思っているのだろう。

 …が、しばらくその袋を見つめたあと、中をゴソゴソと漁りだした。そして見つけたメッセージカードに、桐の眉間のシワが少し和らぐ。


「……ふっ、バカだろ…」

(っ…アカーン!なんやあの顔…っ)


 それをこっそり見ていた椿は、思わず出そうになった声を、パチンと口を手で押さえてなんとか飲み込む。表情も、そして小さく聞こえたあの声も、全てが "愛おしい" と語っていた。

 そして汚いものを持つようにしていた袋を、今度はしっかり持ち直す。…と、そのまま部屋の中へ入ろうとした。



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あきゅろす。
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