4 やっと入った本題に、目を輝かせて携帯を見せてくる。キラキラと無垢な瞳は見ていてとても眩しく、智春はメガネを直すフリをしながら、手で目を覆い隠した。 (こんな純粋なやつ、俺は知らない) 自分は汚れた世界しか見てこなかったし、そういうことをしてきた。彼…四季という子は孤独ながら綺麗ではあったが、決して純粋ではなかった。 あまりに、純粋で。そして自分ではなく誰かのためになんて四季と似た部分があって。それをどうして断ろうか。 ――ボソッ 「…椎名が選んだものなら何でも喜びそうだがな」 「……?」 「いや…まぁ、待て。少し見てやる」 「っ…(パァア)…!」 (わーいっ、おおきに先生っ) クシャリと頭を撫でながら、ニヤリと妖しい笑みを浮かべる智春に、紅葉はニコニコと笑顔を返した。それから少し待って、簡単にまとめてくれたリストを受け取る。 紅葉はそれを見て、買うときはどうすればいいかを智春に聞いた。 「買いにいけばいいだろう」 「(うぅ…)」 【みんなついてきちゃうんです…】 [*前へ][次へ#] [戻る] |