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イヤイヤ、と頭を振る紅葉に、親バカ若葉がキュンとときめいたのはいうまでもない。仕方なく紅葉を抱き上げ、すぐ近くの冷蔵庫からオレンジを取り出して容器に移し替え、紅葉に渡した。毎日こんな感じで一緒に暮らしているようだ。
◆
「行くで紅葉、……ほーれ」
「うぁ、あっ……たぅ!」
「うまいうまい。こっち転がしてみー」
「んーていっ!」
「おぉ…何や感動的やな…」
何が、ボールが返ってきたことが。今日も今日とて天気が良かったため、2人はいつも来る広場へ散歩に来ていた。今日は初めてのボール遊びとあって、紅葉だけでなく若葉もウキウキしているようだ。
コロコロとボールがあっちへこっちへ転がり、2人してそれを追いかける。喋りの方は幾分か発達が遅いが、歩きに関してはもう大丈夫なようだ。あとは高い位置からのジャンプや、ケンケンが出来れば完璧だろう。
「……あっ、気ぃつけやー…あ゙」
──ドテッ
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