7 イヤイヤ、と頭を振る紅葉に、親バカ若葉がキュンとときめいたのはいうまでもない。仕方なく紅葉を抱き上げ、すぐ近くの冷蔵庫からオレンジを取り出して容器に移し替え、紅葉に渡した。毎日こんな感じで一緒に暮らしているようだ。 「行くで紅葉、……ほーれ」 「うぁ、あっ……たぅ!」 「うまいうまい。こっち転がしてみー」 「んーていっ!」 「おぉ…何や感動的やな…」 何が、ボールが返ってきたことが。今日も今日とて天気が良かったため、2人はいつも来る広場へ散歩に来ていた。今日は初めてのボール遊びとあって、紅葉だけでなく若葉もウキウキしているようだ。 コロコロとボールがあっちへこっちへ転がり、2人してそれを追いかける。喋りの方は幾分か発達が遅いが、歩きに関してはもう大丈夫なようだ。あとは高い位置からのジャンプや、ケンケンが出来れば完璧だろう。 「……あっ、気ぃつけやー…あ゙」 ──ドテッ [*前へ][次へ#] [戻る] |