19
オレはあの人に借りがあるのに、さらに迷惑をかけてしまったんだろうか。
ああ、どうしよう。
どうしてこんなことばかり何だろう…。
「大丈夫だ、エータは学校ではマジメな優等生だっ」
「…………うん、あんまり喜べないけど」
「そうか?」
「まぁ…いいや。今日はオレ、もう休むね」
「あ、ああ…」
「はぁ…お休み…」
足がこんなに重いのは、いつ以来だろうか。もう悩むことさえも嫌になってしまい、オレは寝ることにした。
寝て、
理事長室に行って、
それから辰巳のことを1日考えよう。
◆
「っ…はぁ、よしっ」
豪華な扉を前に一回深呼吸。
ちゃんと身なりを整えて、目の前の扉を叩いた。
──コンコン
「………どうぞー」
「失礼します、3ー2 高見澤瑛太です。お呼びでしょうかりじ…ちょ……っ!?」
「瑛太…!?」
え、な、何でっ…
何で辰巳がここにいるの!?
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