24
「や、やめてくれよもう…!!」
弘樹のツラそうな声が聞こえてきて、あと少しというところでオレの足は止まった。
でもクイーンは止めることが出来なかったんだろう。
そのまま身を屈めて、突進してきたんだ。
「っ……あ!」
「チョウ──!!」
「そ、そこまでーっ!」
「クイーンに勝負ありッス!」
バランスを崩した体はそのまま地面に打ちつけられ、上に乗っかったクイーンはとっさにだろうけどオレの首に手をかける。
……うん、勝負がついた瞬間だ。負け…ちゃったかぁ…。
背中痛いや。
「はは…ごめん、カイ…」
「な、んで謝って…、」
「……違うよ。勝ったのは僕じゃなく、君、黒蝶」
「「……は?」」
え、クイーンはいきなり何を言い出すんだ?どこをどう見ても勝ったのはクイーン。
だって、中立の立場にいた人がそういうんだから、それしかないでしょう?
「僕は…弘樹君の声を聞いても止めれなかった。はぁ…攻撃をやめた君の勝ちだよ…」
「何、いって…」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!