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▼理樹side
休み前となんら変わりのないハルちゃんにホッとする。
ようやくここまで仲良くなったのにパァにはしたくないからね。
まだこれといった笑顔は見てないけど、こうして2人で話してる時間は好きだな。
仕事の疲れもぶっ飛ぶよ。
「なんかオススメの本、ある?」
「そうですね……ちょっと思いつかないんで探しておきます」
「うん、お願いしよっかな」
「はい」
今はまだ先輩と後輩ってとこかな?
本当は本なんて興味なかったけど、ハルちゃんが楽しそうに読むから好きになった。仕事の合間に読んだりして、仲間に変な目で見られたこともあるしね。
休み時間で会えるのは30分くらい。始めの10分はハルちゃんと話して、残りは本を読むハルちゃんを見てるんだ。
あまり邪魔し過ぎて迷惑って思われても困るから。
早く、ハルちゃんの大切な人になりたいよ…。
* * *
遙香が本を読み始めてから15分、お昼休みの終わりを知らせる予備チャイムが鳴った。本からふと顔をあげ、また、といって理樹と別れる。本当に理樹とはここだけの関係なのだ。携帯のアドレスすら知らない。
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