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周りの声なんて耳に入ってこない。雑音の中に紛れるのはシュッ、バシッという音だけで、飛んでくるボールに思わず目を瞑ってしまう。
だけど何人かバレー部がいるためか勝負は五分五分で、相手も結構焦っていた。とにかく遙香に向かって打ち、人がいなくなった方へ打つ。だから…遙香の周りが疲れてしまうのも無理はない。
──バシンッ!
「遙香あぶねぇっ」
『っ…届かね…!』
『避けちまえ小鳥遊っ』
「ぁ…わ、わっ……ん゙!!」
女の子のような構えのまま遙香は目を瞑ってしまった。誰もが顔を青くし、女子が目を覆い隠す。……でも、そのボールは遙香の顔でなく手にしっかりと当たり、高く上にあがった。
『っしゃ、ナイス!』
「うぇっ…い、たい…ビリビリしてる…ッ」
「遙香ー手ぇ大丈夫かー!?」
「……ダメッ…」
「え゙、ちょ、あと少しだからもう逃げろっ」
「ん…うん、」
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