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「ねっ、先輩せんぱいっ!」

「ん?」

「今日の夕飯は僕が作ってもいいですか?」

「いいのか?」

「はいっ!先輩のために作りたいんですっ」

「それは嬉しいな。だが…材料がない」


 なにぶん男の1人暮らし。インスタントやお弁当、外食が主なためまともな材料なんて揃ってないのだ。それを聞いて遙香は買いに行くといいだした。


「なら俺も…」

「ううん、先輩は待ってて?えへへ、秘密にしたいんですっ」

「大丈夫か?1人になるのは危険だろう」

「もー大丈夫ですって。待ってて下さいね?」

「……ああ」


(ふふ、何作ろっかなー)


 駿から財布を預かった遙香は、とても楽しそうにスーパーへと向かった。何人か遙香を見ていた人がいたが、それが気にならないくらい気分は上がっているらしい。最近では久しぶりだ。

 そして買い物を終えた遙香は駿の家へと帰った。預かっていた合い鍵で中に入ると、リビングにいた駿は書類とにらめっこをしていた。





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