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零…お前がいう『はっきりする』ってなんだ?なんであのとき、ハルはあんなにショックを受けたんだ?
いくら考えても分からない。
「ハル…頼む、笑っててくれ…」
会えないのなら、会いたくないのならせめて笑っててほしい。
友達の方はどうなってるのか、学校は大丈夫なのか……ハルの声が聞きたいな…。
* * *
久しぶりにみた彰鬼は不機嫌さが滲み出ていて、目があえば誰でも殴り倒してしまいそうだった。だから駿が睨まれたときは本当に怖かったのだ。
自分の寄りどころをまた、奪うのかと。
「……遙香、んな顔するな」
「えっ…」
「お前は難しいことは考えずに笑ってればいい。ツラいことは忘れろ」
「ん、ごめんなさい。せっかく駿先輩といるのにね」
「それは別に気にするな。ったく…ほら、気を緩めろ」
(あ…同じ…)
優しく頭を撫でる手に、狛璃を思い出してしまう。自分を甘やかしてくれる駿に心は少しずつ緩んでいき、ご飯を食べて家に行くころには笑顔が戻っていた。
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