3 『わー僕図書館に来たの初めて』 「そうなのか?俺はよく来るが…」 図書室に入り小声で話をする2人。周りは数人しかいないが、みんな勉強をしている。それに習って2人も復習を始めた。 ─カキカキ。ペラッ…サラサラ…ジーッ。 (ジー?何だ…?) 順調に進んでいた試験勉強。だが少し前から物凄い視線を感じるのだ。何だろうと思って顔をあげると、涼と目があった。 「…どうかしたか?」 『え、あ、ごめんね。なんかかっこいいなぁーって』 「っは!?かっ…///」 『それに手も綺麗だよね』 そう言って海の手をつんっ、と触ってくる。海は顔を真っ赤にしながらその手を捕まえ、 「ありがとう…。でも涼の手も綺麗だ」 と目を見つめながらいった。すると今度は涼が赤くなる番。耳まで真っ赤にして湯気が見えるほど照れていた。そんなようすに海は優越感を覚え、チュッ…と指先にキスを落とした。 『っあ、海くんっ!』 「ん?」 『も、手離して?』 「い、や」 『ちょっ…舐めちゃダメなのっ』 「チュッ…俺は食べたいな」 しばらくそんなやりとりが続いていたが、どっからともなくゴホンという咳が聞こえ、2人はピタッと止まった。周りが2人を睨みつけている。 『もぉっ、海くんのばかぁ』 「は、はは…」 そこで2人は頭を下げ、また勉強に取りかかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |