[携帯モード] [URL送信]

「俺のために…泣いてくれるのか?」

『んっ…。たっちゃんはこんなにも暖かくて、ちゃんと心臓の音がする。たっちゃんが冷たくなったら…僕は暖めてあげるよ?

…たっちゃんが血をみたいって思うなら…僕が血を流すよ…?』

だからもう自分を傷つけないで、と涼は竜也に抱きついた。そこから聞こえる涼の小さな心臓の音。トクトクと波打っていて、ああ涼はちゃんと生きてるんだなと竜也は思う。

暖かくて、自分のために泣いてくれて、さらには血まで流すと言い出した。

確かに人を殴れば自分も痛い。…でもそれでまた生きてると感じてたのは…─勘違いだったのかもしれない。どこかで心も痛めてた…のかもしれない。


「俺だって…」

それまで黙っていた京一がふと口を挟んだ。

「俺だって竜也が必要だぜ?数少ない大切な友達だし、痛いのがいいなら俺と手合わせをしてくれればいい。…そのときは手加減しないけどな」

お前結構強いし、と京一は苦笑いをした。

「それに…お前がいないと色々収まらないときがあるしな。このバカ相手してやれるのも竜也しかいない」

[*前へ][次へ#]

27/41ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!