7 「俺のために…泣いてくれるのか?」 『んっ…。たっちゃんはこんなにも暖かくて、ちゃんと心臓の音がする。たっちゃんが冷たくなったら…僕は暖めてあげるよ? …たっちゃんが血をみたいって思うなら…僕が血を流すよ…?』 だからもう自分を傷つけないで、と涼は竜也に抱きついた。そこから聞こえる涼の小さな心臓の音。トクトクと波打っていて、ああ涼はちゃんと生きてるんだなと竜也は思う。 暖かくて、自分のために泣いてくれて、さらには血まで流すと言い出した。 確かに人を殴れば自分も痛い。…でもそれでまた生きてると感じてたのは…─勘違いだったのかもしれない。どこかで心も痛めてた…のかもしれない。 「俺だって…」 それまで黙っていた京一がふと口を挟んだ。 「俺だって竜也が必要だぜ?数少ない大切な友達だし、痛いのがいいなら俺と手合わせをしてくれればいい。…そのときは手加減しないけどな」 お前結構強いし、と京一は苦笑いをした。 「それに…お前がいないと色々収まらないときがあるしな。このバカ相手してやれるのも竜也しかいない」 [*前へ][次へ#] [戻る] |