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『英士先輩』

「ん?」

『僕、何もしてないんですけど…』

「いいの。こうしてるだけで癒されるから」

『はい!じゃあいーっぱいぎゅってして下さい』

「…何この子…かっわいー!」

『ッキャーははっ』

自分から抱きついてきた涼に機嫌をよくした英士は、可愛いといって頬擦りをする。涼はくすぐったそうにしているが、どこか楽しそうだ。


…と、そこへ実行委員がやって来た。

「ランクの投票お願いしまーす」

パソコンをそこにいた人たちに差し出し、回っている。

「おっ、来たか」

待ってましたと言わんばかりの陸。順番が回ってきて目をキラキラさせながらパソコンを開いた。

「やっぱ抱きたいは涼だろー」

『ねーねーそれなぁに?』

「え、涼知らないの?」

『?』

首を傾げる涼。もちろんこんな子がランキングのことなど知るはずもなく、またそのことを知らなかった英士がさらに驚いた。

「そうだな…誰をぎゅっとしたいか、誰にぎゅっとされたいかってとこだな。涼は誰がいいんだ?」

『えっ、うーん…』

そんなことを急に言われてもすぐに答えは出てこず、涼は考え始めた。その間に他の人たちが投票していく。

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