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『わー僕図書館に来たの初めて』
「そうなのか?俺はよく来るが…」
図書室に入り小声で話をする2人。周りは数人しかいないが、みんな勉強をしている。それに習って2人も復習を始めた。
─カキカキ。ペラッ…サラサラ…ジーッ。
(ジー?何だ…?)
順調に進んでいた試験勉強。だが少し前から物凄い視線を感じるのだ。何だろうと思って顔をあげると、涼と目があった。
「…どうかしたか?」
『え、あ、ごめんね。なんかかっこいいなぁーって』
「っは!?かっ…///」
『それに手も綺麗だよね』
そう言って海の手をつんっ、と触ってくる。海は顔を真っ赤にしながらその手を捕まえ、
「ありがとう…。でも涼の手も綺麗だ」
と目を見つめながらいった。すると今度は涼が赤くなる番。耳まで真っ赤にして湯気が見えるほど照れていた。そんなようすに海は優越感を覚え、チュッ…と指先にキスを落とした。
『っあ、海くんっ!』
「ん?」
『も、手離して?』
「い、や」
『ちょっ…舐めちゃダメなのっ』
「チュッ…俺は食べたいな」
しばらくそんなやりとりが続いていたが、どっからともなくゴホンという咳が聞こえ、2人はピタッと止まった。周りが2人を睨みつけている。
『もぉっ、海くんのばかぁ』
「は、はは…」
そこで2人は頭を下げ、また勉強に取りかかった。
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