8
「ん…おぉ、結構うまい」
その意外な美味しさにビックリしたが、残りを涼に渡した。
『え…でも、海くんが買ったのに』
それでもまだ何か言いたそうな涼に海はビシッと一言、理屈の通ることを言った。
「アメのお礼。こんなんじゃまだ足りない?他にも買うか?」
そんな事を言われてしまえば、
『あ、ううん。いただきます』
と言って食べるしかない。
『すっ…ぱくない?甘くておいしーっvV』
梅味と聞いていた涼はてっきり酸っぱいのかと思っていたのだが、これまた意外、甘いのだ。満面の笑みでアイスを食べ進めていく。
「美味いか?」
『うんvV…でもちょっと寒いかも』
それもそのはず。暖かくなってきたとは言え、まだ5月だ。外でアイスを食べるには少し寒いだろう。それを聞いて海は自分のブレザーを涼に差しだそうとした。
だが気付いてしまったのだ。もっといい方法があることに…。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!