[携帯モード] [URL送信]

企画モノ
脇役達の宴
あなたが知りたいのは?
小夜の姉/なつと恵のクラスメイト/三坂姉弟


朝希(あさき)
続柄→【やわらかな檻】ヒロイン、小夜の姉
存在証明→【蝶の夢】60ページ

 生まれながらに何十本もの運命の赤い糸を持ち、それを見る力を持つ生き神にさえ『ごめんなさい、私の力じゃ切れないの』とぽぉんと匙を投げさせた希有な存在。
 仕方ないので自分に降り掛かる恋愛フラグ(主に面倒そうなもの)を周りの人に差し上げたり回避したり周りの人に押し付けたりして生きてきた。
 実例としては名家の若様に溺愛されるのを妹に、幼なじみ同士の三角関係をお向かいさんに、身分差の恋愛に苦しむのをクラスメイトにといった具合。

 紫苑学園では常に目立たない・浮かない・目立つ人と関わらないを心がけていたため妹と違って認知度は低い。これも作戦のうち。
 ところが今まで周りに押し付けていた多大なるツケが回ってきたのか、突然物語の神様に異世界召喚され童話の世界に引きずり込まれる。精一杯ギャルの振りして私は相応しくありませんよオーラを出してみても帰してくれなかった。
 更には「オイコラ逃げんじゃねぇ」と言われ、物語とは好き勝手な方向を勝手に歩き始めたシンデレラの代役を務めることになる。

 任務を終えた後、その神様に気に入られ、様々な登場人物の代役を務め続ける人生を歩む破目になったのだから運の尽き。
 家族には「外国にお嫁に行った」と説明し、時々家に里帰りする程度。家族は誰も疑っていない。

 外見はビスクドールめいた顔立ちを持つ母親似。
 化粧は肌を整える程度、栗色の美しい髪をかっちり三つ編みにして今時流行らない大きな黒縁の丸眼鏡をつければ地味子の完成である。
 この姿で周囲に溶け込んでいたのも、前述の作戦を成功させる有効な手段となっていた。
 ちなみにこのような防衛をしなかった小夜は紫苑の花売りにまで祭り上げられた。

 性格は言うまでもなく、計算高くお腹の中が真っ黒なタイプの人間である。自分と大好きな人達さえ平穏であれば良し。
 妹とは距離を置きがち。もう少し年が近ければ友達のような関係に、離れていれば姉として一方的に妹を可愛がれたのだがどっちつかずの微妙な年齢差のため、あまり仲が良いとはいえない。
 そもそも、幼少の妹は自分の家より友人や後の婚約者の家に引き止め……泊まっていることが多かった。
 自業自得とはいえどうしようもないと本人は諦めている。

 よって姉妹はたまにお互いにお互いの名前をど忘れしている。
 困った時は「姉さん」「妹よ」と呼びかけるのが確実。





美咲(みさき)
続柄→【蜂蜜と月】二人のクラスメイト
存在証明→【蜂蜜と月】14ページ

 幼等部から大学まで(予定)を紫苑学園で過ごすちゃきちゃきの紫苑っ子。
 幼等部の頃に先生や同じ組の子達からの注目を掻っ攫うなつをライバル視し始め、隣の組で良かったと思いつつ、初等部で初めて同じクラスになるまで完璧になつを避けまくっていた。本人に言わせれば住み分けと言う。

 高学年になってなつと、ついでに孤高の存在として目立っていた恵とも同じクラスになってしまい危機感を覚える。
 仕方ないので自分と同じような派手なタイプの子達とグループになって自分を守り、男子とも(可愛さを前面に押し出して)仲良くなる。結果的にクラスの人気を二分する女子の一人(もう一人はなつ)となり、女子のおしゃれの発信源にもなる。

 【蜂蜜と月】当時、身長も体重も勉強も運動もなつと互角。ついでに言えば元々の家柄も、なつの家の方が少し上だが直系でないため互角。
 どうしてほぼ同じような境遇なのになつは『何となく&偶然』で自分は『努力の末』なのかサッパリ分からない。ジェラシー。

 リコーダーの発表会では男子二人と共に三人組でのラバーズコンチェルトを披露し、先生にも褒められるが、先生の白いリコーダーを使い堂々と演奏していたなつ(と恵)に負けたと感じる。
 しかし素直でないので中等部、高等部と再び二人を避け続ける。

 なつとまた関わることになったのは高等部一年の秋、『紫苑の花売り』の売り子に選ばれたからである。
 担当は菊花。なつが担当することになったリンドウよりも毎年よく売れるが、お墓や死を連想させるため喜んで良いのかどうか。
 左隣に座るなつは「美咲ちゃん、よろしくね」なんてにっこり笑って言ってるし、こっちの気持ちなんて全然分かってない様子。右隣に座る子(なつの友人)に諦めろと促され、以後ツンツンしながらもそれなりに仲良くやっている。

 なつがエルとの学園祭巡りで抜けた穴を頑張って塞いでいたのはこの人。その時のセリフは「デートなんでしょ? ……行きなさいよ」である。お嬢様とツンデレ属性持ち。
 最近、なつが紫苑大に行かず県外の大学を受験するという噂が流れているため、なつがいるクラスまで直接聞きに行こうか悩んでいる。






ミケ&三坂冬哉(みさかとうや)
続柄→【君に、楽園の終焉を】仁科家の女中と夏夜の幼馴染み
存在証明→【篝火】と【インプリンティング―初恋―/初恋】

 実は年の離れた姉弟である。
 ミケは仁科家の女中に当てはまるあだ名のことで、もちろんミケの出自を知る当主が三坂家→三家→ミケという風にもじってつけた。
 猫のような名前だが、お弟子さんや取引先の相手に覚えてもらいやすいと中々気に入っている様子。ファミレスで名前を書くときにもついミケと書いてしまい、呼ばれる時に(主に一緒にいた冬哉が)大変恥ずかしがったのは目に新しい。

 根っからのアウトドア派で体を動かすことの方が好きなミケと違い、弟の冬哉は活字であれば何でも読むし書くし好き、という三坂の者として天性の気質を持っている。
 専用の書斎に何時間いたって気にならない。ご飯を抜いても気になら……食べ盛りの男子として気にならなくはないが本と比べれば何のその。
 たまに夏夜が遊びに来て扉をバンッと開け、
「冬哉くん冬哉くん遊んで遊んでっ構ってっ、本なんか読んでないでーー!」
と無理やり外に引っ張り出すのを、三坂の人々は奨励している節すらある。
 寧ろ頭を下げて呼び出すこともある。

 二人の休日はほとんど、趣味の面も日程の面も噛み合わない。
 ごくたまにあるとすればミケの一方的なお喋りで、話題はたいてい夏夜さまと一成さまについて。たまに当主が奥さまを熱烈に口説いていた、もちらっと話すがいつものことなので、冬哉も右から左にスルー。気になることだけ書き留めている。
 よって、人目がある時の二人の行動は三坂家に完全に筒抜けである。
 わざわざ夏夜が半生を話す必要などないかもしれない。

 ミケは逃げられると追いかけてしまいたくなる、まさに猫な隠れS。
 冬哉は善良と言えなくもない一般人、もしくはお兄ちゃん気質。ぶつくさ言いながらも夏夜の行動に付き合ってあげられるだけお人よし。

 みんな忘れているだろうが、夏夜よりも三つ年下である。それなりに悩みもある。目下の悩みは理系科目の成績が文系科目に比べて悪い――文系、特に国語は紫苑学園でトップクラスだから比べる方が間違っている――ことだ。
 しかし口が曲がっても夏夜に勉強教えてなど言えない。姉のミケは頼りにならない。困った末、夏夜に内緒で一成に勉強を教えてもらっている。


TOP


[*前へ][次へ#]

4/10ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!