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「元帥!」

風船ガムを膨らませた男性が、絵を描きながら振り向いた。

「あれ!
久しぶりりーん☆」

…一応、私達の師匠であるティエドール元帥。
性格が明るく、まぁ普通の人。

デイシャの死を伝えた今も、感情を思いきり表に出して号泣している。

「そうか…デイシャが…。
よく…私の眼鏡を割ってイタズラしてたあの子が…。
とってもいい子だったのになぁ…」

…矛盾してますよ。

「ティエドール元帥、一度我々と共にご帰還を…」

「デイシャの故郷は確かボドルムだったかな?」

マリからハイと聞いて、絵を描き始めてしまった…。

「私がずいぶん前に見た記憶の映像だから、少し違うかもしれないが…」

って、即席の割に相変わらず上手い。
絵に火をつけて、燃やす。

「私は帰らんよ。
今は戦争中なんだ、元帥の任務を全うする。
それに、新しいエクソシストを探さないと…」

(そう言うと思ったぜ)

(そうだな、師匠らしい)

(これで帰ってたら、師匠じゃないもの)

「「「お供します、ティエドール元帥」」」

目を細めて笑いかけてくる元帥…。



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