3 そろそろマリのいる所の近くだろう、連絡を取り合わないと。 「もしもーし、マリはどこにいるか、詳しく教えてくれない?」 間もなく合流することが出来た。 「久し振りだな、香奈」 「だね。 やっぱりマリは全然変わってないし」 まだ私以外は来ていないのか。 良かった、取り残されなくて。 「まだ来ない人達、夜明けまでに来なければ、置いていくの?」 「神田が言った事だからな、取りあえず神田は覚悟しているだろう」 「…私が置いていくとでも思うのかな」 「神田もお前と同じ考えだと思うぞ?」 それは、ユウが私を置いていかないという事? 「恥ずかしい事言ってくれるね、もぅ…」 明るい空気に包まれながらも、アクマはじりじりと近づいてくる。 「さぁて、いっちょ行きますか!」 久し振りにユウに会うのだから、強くなったな、とか言われたいものだ。 とか何とか考えていたら、それからすぐ次にユウが到着した。 …まだ、デイシャが来ない。 時間が経つのは早く、朝の霧がたちこめてきた。 「…行くか」 「ばっ…ユウ! きっとどこかで足止めを喰らっているのよ!」 「だが、連絡が出来ない。 多分、既に…」 ユウの言いたい事は分かる。 デイシャの安否が分からない今、元帥を探すのが先決だ。 …でも…。 「…ちょっと見回ってくる!」 「バカか! おい待て!!」 ユウの手を振り払って、走り出す。 後ろからは、怒鳴り声の代わりに2人分の足音が。 …ありがと、ユウ、マリ。 とある広場に出ると、体が動けなくなった。 「……っ!」 「おい、香奈、どうし…」 目の前の鉄塔にぶら下がっているのは、紛れも無く…デイシャだ。 「…間違いない、デイシャのゴーレムだ」 マリの言葉を聞き、その場に崩れ落ちる。 「おい、香奈…立てよ」 「ごめんなさい…助けてあげられなくて…。 ごめんなさい… ごめんなさい… ごめんなさい…」 「立て、香奈!! 感傷に浸っている暇は無いんだ!」 「まぁ、神田、落ち着け」 「…チッ」 お願い…もう少しだけ、祈らせて。 デイシャの冥福を……。 そうしたら、元帥を探しに行くから…。 . [*前へ][次へ#] |