3 「え、神田。 僕は教団に行けば良いんですね?」 「…あぁ」 「ウォーカー殿にはトマも同行いたします」 「よろしくお願いします」 深々とお辞儀をして、…エクソシストらしくない。 「ところで、お前は何を食ってる」 先程から突っ込みたかったのだ。 「どこからどう見たって、サンドイッチじゃないですか。 ただ、普通のよりもちょっと大きいですけど」 ちょっとじゃない! 全っ然ちょっとじゃない!! 「…よく売ってたな」 「特製なんですよ? 販売していた女の人に頼んだら、笑いながら快く作ってくれたんです!」 サンドイッチ…… 女…… 「…聞いてます? しかも、その人はサポーターの方だったんですよ! コートのボタンが僕らのとお揃いなので、聞いたら教えてくれ…」 「名前は!?」 アレンの言葉を神田が遮った。 「〜〜〜いきなり何ですか、大声で! …知りませんよ、知らない人に突然聞いたら怪しいじゃないですか」 「チッ…どこだ、その女がいたのは!」 アレンが答えるまでの時間でさえ、神田のイライラを増やしていく。 「えっと、地名は思い出せません」 「チッ、役立たず」 「(イラッ) 僕が買ってるとこ、見てたと思うんですけど。 いえ、絶対に見てました」 「は? んなの見てねぇよ」 「いーえ! 見てました!! この馬車に乗る前、汽車の乗り継ぎの時に時間があって、その時に買ってました!」 「(んなの見るわけねー! しかも逆切れすんじゃねぇよ) よし、じゃ戻れ!」 馬車の綱を引く人に怒鳴る。 すぐに馬車は止まり、来た道を戻り始める。 「ちょっと、何をするんですか!」 馬車の中では、アレンの持つサンドイッチを神田が一口食べていた。 「別に気にしませんけど、一体どうしたんですか? 急に」 「この味は、間違いない」 「…あの、ホント、聞いてます?」 「お前、サポーターって何だか知ってるか? あと、コートのボタンの意味」 「は? …知りません。 サポーターの存在自体、今日知りました」 「サポーターってのは、教団の協力者の事だ。 その証として、ローズクロスは持っているが、ボタンを持つ事は無い」 「え?でも…」 「このボタンは、持ち主が分かるように裏側に名前が彫り込んである。 …これを持っているのは、エクソシストしか見たことはない」 . [*前へ][次へ#] |