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今の説明で、アレンがようやく気付いたようだ。

「じゃあ…」

「あぁ、その女はエクソシストの可能性が高い。
もしエクソシストじゃなかったら、その女を問いただす必要がある」

「でも、何でそんなに急ぐんですか?」

「…逃げているかもしれないだろ!」

そうか、新入りのこいつは香奈を知らないのか。
女のエクソシストはリナリーしかいない…3年前からは。

「でも、僕らエクソシストの仕事じゃない気が……。
…すいません、やっぱり戻っていいです」

謝ったのは、神田が有無を言わせずといった風に睨んだから。

「あの…」

今まで静かに黙っていたトマが、怖ず怖ずと口を挟む。

「もし次の任務に遅れるようでしたら、本部に連絡を入れておいた方が良いかと…」

「…確かに」

ゴーレムを本部に繋ぐ。

《もしもし?
神田君?》

「次の任務に遅れる。
用はそれだけだ」

《それなりの理由があるのかな?
できるならば、任務優先に行動してもらいたいね》

「急を要するんだ…!
あいつが、香奈が見付かったかもしれない!」

《…探索班を向かわせるよ》

「既にモヤシと接触してる。
逃げるかもしれない。
お願いだから、行かせてくれ…!」

(必死だなぁ…
香奈って神田にとっての何だろう…)
とアレンは呑気に思っていた。

《分かったよ、行っておいで。
終わったら、報告ちょうだいね?》

通信を切って間もなく、駅に着いた。
そこから汽車で、アレンが女を見たという駅に向かう。
あの駅を出てから、既に数時間が経っている。

(あぁ、何でもっと早く気付かなかったんだ!)

ようやく目的の駅に着き、それまでにアレンに聞いていた店の場所を、頭の中で振り返ってみる。

「…いいですか?
車上販売でしたから、もう移動しているかもしれませんから!」

言われなくとも、近辺は探してみるさ。

汽車が完全に止まる前に飛び出し、駅前通りの雑踏の中へと走り出した―――。



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あきゅろす。
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